変わったと感じたもの、測っていないもの
身体の硬さや違和感のことを考えていた頃、2つの整体に、それぞれ2年半と3年7か月通いました。期待していたほどには、硬さや違和感が変わったと感じませんでした。筋力トレーニングでは、筋力が付いて見た目も良くなったと感じましたが、硬さや不調の感じは、十分に変わったとは感じませんでした。
ここで「不調」と書いているのは、私が感じていた硬さや動かしにくさのことで、症状の名前でも、何かの尺度で測った数値でもありません。整体で何をしてもらったか、前後の可動域や日常の動作についても、あとから確かめられる記録は残っていません。筋トレは、頻度を通院日記に少し書いていますが、種目や重さの記録は残っていません。
| 項目 | 何を見るか | 私の場合 |
|---|---|---|
| 筋力 | 同じ種目・条件で出せる力 | 変化を感じたが、記録はない |
| 見た目 | 自分で感じた見た目の変化 | 良くなったと感じた |
| 可動域 | 同じ条件で測る角度や距離 | 測っていない |
| 運動制御 | 方向やタイミングを調整して、繰り返せるか | 測っていない |
| 違和感(本人の感覚) | 硬さ、引っかかり、動かしにくさ | 十分に変わったとは感じなかった |
| 日常の動作 | 歩く、着替えるなどの具体的な動作 | 測っていない |
健康な参加者を対象にした55の研究をまとめたレビューでは、外部負荷を使うレジスタンストレーニングで、関節可動域が広がった研究が紹介されています[1]。ただ、私の場合は種目や重さの記録がないので、このレビューから、私の身体の反応や、違和感が残った理由を説明することはできません。筋トレそのものの効果を、この体験から判断することもできません。
筋力と運動制御の違い
筋力は、決まった条件でどれだけ力を出せるかです。運動制御は、目的に合わせて動きの方向やタイミングを調整し、同じ動作を繰り返せるかどうかで、筋力とは別に見るものです。二つは関係することもありますが、筋力が付いたからといって、運動制御も良くなったとは言えません。記録する時は、次のように分けています。
- 筋力が付いたと感じたことは、自分の感想として書く
- 見た目が良くなったと感じたことも、自分の感想として書く
- 違和感が十分に変わったとは感じなかったことも書いておく
- 可動域、運動制御、日常の動作は、測っていないと書く
- 左右差は、動作ごとに見たものとして書く
整体に通った体験から言えること
整体で期待したほどの変化を感じなかったのは、私の体験です。受けるだけの施術では足りなかったのか、施術の内容と私の期待が合っていなかったのか。前後に何も測っていないので、どちらなのかは分かりません。
| 私の体験として言えること | この体験だけでは言えないこと |
|---|---|
| 2つの整体に、それぞれ2年半と3年7か月通った | すべての整体を同じ内容として扱えること |
| 期待した変化を十分には感じなかった | 整体全般に効果がないこと |
| 施術内容と前後測定の記録がない | 変化しなかった原因を特定できること |
| 身体への関心が続いた | 特定の方法が医学的に必要であること |
筋膜への施術についても、どの部位に、どんな手技を、何のために行ったのかは確認できていません。一人の体験は、疑問を持つきっかけにはなりますが、その方法全体の評価にはなりません。
3年7か月通った筋膜系の整体と、並行して試した食事・筋トレ・セルフケアの経過は、『首の痛みから始めた筋膜系整体通院日記』に、その日の体感を書いた日記としてまとめています。測った数値の記録ではありません。
ダンスと鏡で、筋力以外にも目が向いた
ダンス、ストレッチ、アイソレーション、鏡を使った観察が、筋力以外のことに目を向けるきっかけの一つになりました。頭、肩、胸郭、骨盤などを意識して分けて動かし、どちらへ動いているかを確かめる必要があると感じました。
固有感覚は、手足や体幹の位置、動き、力などを感じ取ることに関わる感覚です[2]。鏡を使うと目からの情報が加わりますが、動きが見やすくなったことを、骨の形が変わったこととは考えません。
ダンスや鏡で硬さや不調が変わったことを、客観的に確かめた記録はありません。関心が向いたのは、動かす方向や左右の違い、自分の感覚でした。
「身体が硬い」に含まれているかもしれないもの
「身体が硬い」という一言には、いくつもの違うことが含まれている可能性があります。下の表は、自分で診断するための分類として作ったものではありません。研究所で今後、分けて記録することを検討している項目です。
| 「硬い」に含まれているかもしれないこと | 今後分けて見たい項目 |
|---|---|
| 関節を動かせる範囲が小さい | 条件をそろえた可動域 |
| 自動運動と受動運動の結果が異なる | 有資格者による必要性・安全性の判断を含む評価 |
| 筋活動が続いている可能性 | 課題中と休止中の違い |
| 痛みや恐怖で動きを避けている可能性 | 症状と動作条件の関係 |
| 動かし方が分からない感覚 | 方向や速度を変えたときの再現性 |
どの組織が原因なのか、どのくらいの力なら安全なのかを、自分で決めることはできません。痛みやしびれを我慢して押したり、首や背骨を勢いよくひねったりするのはやめてください。そのうえで、記録には次のようなものを分けて残します。
- 同じ条件で測る筋力と可動域
- 課題を反復したときの軌道や速度
- 硬さや動かしにくさの本人評価
- 歩行や着替えなど具体的な日常課題
- 未測定、測定不能、途中中断の記録
変わったと感じたもの、十分には変わらなかったと感じたもの、測っていないものを分けて残しておくと、あとで研究所の考えを確かめるときの出発点になります。
参照
参考URLと参照範囲
- 健康な参加者55研究のレジスタンストレーニングと関節可動域のレビュー(2023)健康な参加者における関節可動域。個人体験の理由は説明しませんhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36622555/
- 固有感覚のレビュー(2012)位置・動き・力に関する感覚https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23073629/
個別研究やガイドラインは、本記事の観察法や独自理論を証明するものではありません。本文で明示した対象・条件・限界の範囲で参照しています。
このサイトの記事は、ミトン先生の体験と研究所の考えを記録したものです。方針の全文はサイトの方針をご覧ください。